高岡の鶏卵業者「イセ」が破綻
3月11日に鶏卵最大手のイセ食品とそのグループ会社であり、高岡にある「イセ」が、会社更生手続きに入ったと発表しました。
日経新聞によると、
近年は業績が低迷して家事を最後に陥っていた。資料や燃料など生産コストの上昇も重なり、資金繰りに行き詰まった。
との事です。
鶏卵業の構造
鶏卵はコストが半分以上
鶏卵のコスト構成は飼料代が67%となり、飼料の購入価格は鶏卵業に大きな影響を及ぼします。
さてその飼料ですが、
2021年1月 85,620円/トン
ですが、
2022年1月 99,150円/トン
となり、約16%増加しています。
配合飼料の価格動向 より
鶏卵小売価格は微増
では、鶏卵価格はと言うと、
2021年1月 142円/kg
ですが
2022年1月 151円/kg
と6%しか上がっておりません。
日本鶏卵協会 鶏卵価格の年次別月別推移
鶏卵は優等生
皆さんご存知の通り、鶏卵は、もやし等と同じくいつでもお手軽に手にできる「価格の優等生」。非常にリーズナブルな価格で手に入れることができます。そのことは皆に知られていますが、それによって、なかなか値上げしにくい(原料価格を価格に転嫁できない)のです。
飼料だけでなく、食料、原油などコモディティーの価格が世界的に上がっている上、加えての円安。これからますます価格が上がっていくことが予想されます。
しかし日本では給料が上がらず、マインドもデフレマインド。
そうなると、仕入れ価格は上がるのに価格には転嫁できないと言う状態が続き、他の産業でも破綻が起きるのではないでしょうか。
原材料コスト比率が高い産業は要注意です。